神戸六甲ミーツ・アート 2024 beyond 公募グランプリ作品
アートと デザインストラテジー ======プレスプレビューで芸術祭を回り(全部は見れなかったけれど)一等賞はこれかな、と感じたら、予想通りグランプリになった。 水田雅也 「イノシシ村のお願い」 かつて六甲山には「イノシシ村」と呼ばれる地域がありました。人々は野生のイノシシに餌を与え、交流を楽しんでいました。しかし、人慣れしたイノシシは襲ってくるようになり、やがて餌付けは禁止となりました。現在では「エサを与えないでください」看板など、様々なお願いが乱立しています。これらは、現代の人間とイノシシの関係を象徴するものです。人や集団、地域、そして時代に応じて、それぞれの「お願い」がある。 ほか、見てまわって、いいなと思ったアート。どれも何らかの受賞作品となった。 野村由香《足もとの惑星》 髙橋瑠璃《2人の秘密の間を過ごす》 HAFEN 本田耕《Wind of Plants Hill》 この作品でフランクゲーリーの東京ベンチを思い出した。 作者は意識していないでしょうが。 渡辺 篤《月はまた昇る(プロジェクト「同じ月を見た日」より)》 この作品は夜に観るべし! 受賞作品内容、芸術祭についてはリンクへ https://rokkomeetsart.jp/news/detail/koubo/ グランプリの水田さんは九州大学大学院芸術工学府「デザインストラテジー」専攻を修了したらしい。それを知り「なるほど」と思ったのです。この作品はアート発想を入口にデザイン戦術で課題解決していく「デザインストラテジー」の手法を駆使していると実感したから。デザインストラテジーでは「複雑化した現代、企業や社会が抱える課題を解決するためには《A地点(課題)からB地点(想定される解決法)》で成果が期待されることは少ない、必要な思考は「A地点(課題)から《未知の》B地点(想定を超える解決法)」というスタンスをとる。 私自身、この手法を学ぶ、九大芸術工学との産学コラボでの空間演出を3年間実施した。 福岡でのウインドウディスプレイ演出 コケの地球で時代性を表現した 「デザインストラテジー」いま、大阪市立デザイン教育研究所の授業カリキュラムとしている。最新事例は「スキマモリ」 「あぶない」「危険」という訴求ではスルーされる。表現に「予想を少し超える視点」「インパクト」「クオリティ」があってこそ、メッセージが届く。